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■ブーム
ブームという奴がどうも苦手である。
常に消費する側であり、作り出す側に立たない僕にとって、享受すべき事を強要されてる感覚があり、ちっとも好ましいと感じられない。
尚且つ、別に知っていても利点はと言えば、十把一絡げのファンとその関連の会話が出来るという事だけであり、それは作品が面白いとか、そういう作品自体の評価とはかけ離れている。
かといって、忌避し続けても、「そんな事も知らずに良く知った風な口を叩けるな」と言われるのが嫌なので、ある段階になったらえいやっと触れるのである。
これが実にもどかしい。
かといってブームが来る前から作品を知っていたとて、何の意味も無いし、選定眼があった事にもならない。ブームになった作品に関っても、作者側以外には殆どメリットは無いのである。
逆に僕はひっそりと見ることの出来る、ファンが少ないB級な作品を好む。
好きであっても文句を言われず、嫌いになっても文句を言われない。
webの世界では、殆どの人間がクリエイタとして生きる事が可能だ。そう、享受し続けるだけの僕であっても。そのクリエイタ視点に立ったとしても、ブームをわざと起こす事が悪いだの良いだの言ってる輩は、クリエイタだろうとそうでなかろうと、はっきり言って失笑に値する。そしてそれに言及する輩も(僕も含めて)、矢張り下種なのである。
ブームに関ると、自分が有象無象の一つであり、十把一絡げの一員にしか過ぎない事を再認識させられる。
だから僕はブームという奴が苦手なのだ。 |
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